Zoom AI Companionとは?機能・導入条件・設定手順を徹底ガイド

オンラインのミーティングをもっと効率的に進めたい──そんな方に注目されているのが、AI Companion(AIコンパニオン)です。

会話の要約や質問への回答など、AIが会議をサポートしてくれる次世代機能として話題を集めています。

本記事では、主な機能・利用条件・導入手順まで解説します。

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Zoom AI Companionとは?どんな機能がある?

AI Companion(旧 Zoom IQ)は、Zoom のミーティング・チャット・ドキュメント環境で動作する AI 支援機能です。
議論の要点を自動で整理したり、ミーティング中に質問して即座に回答を得たりと、会議体験を高度化する機能群を提供します。

主な機能には以下があります:

  • ミーティング中・終了後の 要約生成

  • ミーティング中の 質問応答(「何が決まった?」「アクションは?」など)

  • スマート録画(チャプター分け、ハイライト抽出)

  • AI Companion パネル(サイドから要約・質問を操作可能)

これらの機能により、会議の振り返り時間を減らし、情報の抜け漏れを防ぎ、議事共有の工数を削減できます。

ミーティング中の質問応答機能の特徴と使い方

Zoom AI Companion の強みのひとつが、会議の流れを止めずに質問できる点です。
例えば「この議題で決まったことは?」「対応事項は?」などを会話中に投げかけられます。

質問例と返答例

  • 質問:「この議題で決まったことは何ですか?」

  • AI 応答例:「A案が正式採用となり、次回ミーティングで B 案の評価を継続することになりました。担当は C さんです。」

引用: Zoom公式ヘルプ「AI Companionで質問する」

このように、AI は会議の直近内容を解析し、要点をまとめて返答してくれます。
「誰が何を決めたか」「次に何をするか」が瞬時にわかるのが大きな魅力です。

関連記事:AIプロンプト入門:ゼロから始めても成果が出る使い方とメリット

使い方手順(基本)

  1. ミーティング中にSparkle(星形アイコン)をクリック

  2. 質問パネルを開く

  3. プリセット質問(「これまでの議論をまとめて教えて」「対応事項は何ですか?」など)を選択、または自由入力

  4. AI が応答を返す

  5. 必要に応じてさらに質問を重ねられる

ただし、この質問応答機能が働くには、質問対象のトピックがそのミーティング内で議論されたことが前提となります。議論外の内容には正確な応答が出ない可能性があります。

活用のポイント

  • 後から参加した人の理解補助に → 「これまでの議論をまとめて教えて」で流れを要約

  • 自分の発言確認に → 「 私について言及された?」で関連箇所をチェック

  • タスク確認に → 「対応事項は何ですか?」で要点/担当を一目で把握

これらの質問応答を、ホストがまとめて参加者へ共有することもできます。
議事録やタスク整理の素材として非常に使い勝手が良い機能です。

りょうた
ミーティング中に“今の決定って何だったっけ?”と思う瞬間、ありますよね。
AIがその場で要約してくれるのは、“時間のロスを大きく削減することができます。

AIによるミーティング要約の活用

会議終了後、AI Companion は議論内容を要約文に自動変換します。この機能によって、多くの利点が得られます。

要約例

議題:新プロジェクト計画

  • 5月中旬に β 版をローンチ予定

  • マーケティングチームは 4月末までにプロモーション案を提出

アクション項目

  • A さん → 顧客調査実施

  • B さん → 費用見積もりの改訂

このように、AI は議論をトピック別に整理し、アクション項目まで抽出してくれます。生成された要約は、すぐに他のメンバーと共有可能です。

活用のコツ

  • 要約の詳細レベル(粒度)は Zoom 側で調整可能

  • 要約をメール・Slack・Zoom チャットなどで自動共有

  • AI が作った要約は「草稿ベース」として使い、ホストが最終確認・修正を加えて配布

AI 要約は、まさに「議事録を自動生成してくれるアシスタント」。ただし、完全な精度を期待せずに、編集前提で使うのが賢いやり方です。

りょうた
“AIに議事録を任せるのは不安”という声もありますが、
私の経験上、AIの要約は人の整理を補助する“土台”として優秀です。
まずは自動生成された要約をベースに追記する運用から始めるのがおすすめです。

誰でも使えるの?利用条件と制限を整理

主な利用条件

Zoom AI Companion を利用するには以下の条件が必要です。

条件内容
対応プラン有料(Pro/Business/Enterprise)
機能有効化AI Companion がオンになっていること(デフォルトはオフ)
バージョングローバル最小バージョン以上(PC/モバイル/Rooms)
サインインZoomアカウントでログインしていること

引用: Zoom公式ヘルプ「AI Companion 機能の利用を開始する」

これらを満たしていないと、AI Companion の機能が制限されたり利用できなかったりします。

関連記事:ChatGPTは無料で十分?有料版との違いとAIを仕事に活かす方法

利用時の制限事項

  • 要約の開始/停止はホストまたは共同ホストのみ

  • 一部地域では未提供

  • プロフィール未設定時は自動音声を使用

  • 質問応答はミーティング単位でのみ有効

  • ホストが[要約を開始]をクリックするまでミーティングの要約は開始されない(Zoom Webポータルの設定で[ミーティング要約を自動的に開始]を有効にしている場合は別)

引用: Zoom公式「AI Companion地域対応情報」

利用時の注意点(機密情報・データ)

  • 機密情報を含む会議では利用を控える

  • AIの回答は推論ベース。誤差が出る前提で確認必須

  • Zoomは外部AIに情報を共有せず、社内モデルで処理

  • 要約データは最大120日で削除設定可能

引用: Zoom Trust Center「AIとプライバシー」

りょうた
情報セキュリティポリシーが最重要です。
ZoomのAI Companionは“社内処理型”のため比較的安全ですが、
守秘義務がある会議ではAIをオフにする——この基本ルールを守ることが大切です。

関連記事:生成AIチェッカーにバレるって本当?検出の仕組み・誤判定事例・安全なAI利用法

導入から設定までの手順

準備① Zoomアカウントの確認とプラン設定

  1. Zoom にログインし、アカウント情報を確認

  2. 利用中のプランが AI Companion 対応か確認(無料プランでは対象外)

  3. 組織の場合は、管理者が AI Companion を有効化済みか確認

準備② アプリのアップデートと AI Companion の有効化

  1. Zoom デスクトップ/モバイルアプリを最新版に更新

  2. Zoom Web ポータルで “設定” → “AI Companion” セクションへ

  3. AI Companion 機能をオンに切り替え

  4. “自動開始” や “質問応答許可” オプションも必要に応じて有効化

  5. 管理者権限がある場合は、ユーザー強制設定なども確認

操作① ミーティングで AI Companion を呼び出す方法

  1. ミーティングを開始

  2. ツールバー上の Sparkle(星形アイコン) をクリック

    (AI CompanionをONにすると、上部にあるパネルが点滅します。)

    ※AI Companionのオン/オフの権限はホストのみです。
    ホスト以外の方が起動をしようとすると画像のようにホストに通知が行きます。

  3. 質問モードでプリセットまたは自由質問を入力
    ※AI Companionが使えるのは起動してから3分後になります。
    起動直後に質問を送ると以下の通り、正常に反応しません。

     

  4. AI Companionをオフにする場合はツールバーで一部、もしくは全てを選択

よくあるトラブルと対処法

問題原因可能性対処法
Sparkle アイコンが見えないAI Companion が無効化されているWeb ポータルで機能をオンに
要約が始まらないホストが操作をしていない要約開始をホストに依頼、自動開始設定を確認
質問がずれる質問範囲外/文脈ずれ簡潔な質問に変える、会話ログを確認
機能が使えない国地域制限Zoom サポートで地域対応状況を確認
プライバシー懸念機密情報を議論している利用前に同意を取る、機密会議ではオフに

再起動、ログアウト→ログインなどの基本操作でも多くの不具合は解決します。

まとめ

Zoom AI Companion は、AIが会議の要約質問応答を自動で行い、
参加者全員の理解度を揃えながら、会議をより生産的な時間に変えてくれる革新的な機能です。

私自身、現場でこの機能を試してみたとき、
「議事録作成の時間が3分の1以下になった」と感じました。
それだけでなく、メンバー全員が要約をもとに次のステップへ動けるため、
“話して終わりの会議”から“成果を残す会議”へと変化しました。

AI Companionを導入する際は、まず社内ミーティング1本で試すことをおすすめします。
小さく始めて、機能を理解し、運用ルールを固めることが、
AIと共存するチームづくりへの第一歩になります。

Zoom AI Companionを味方につけ、
“記録する会議”から“考える会議”へ――働き方を一段アップデートできるはずです。